石畳につまづいた

歩いていてコケたという話ではない。ピアッツァの石畳マークのことだ。

ステッカーも替える

ストライプを青色にした時点で、両サイドのPIAZZAステッカーも同色にすることはほぼ確定事項だった。

今の黒いPIAZZAステッカーは純正品なので、これを剥がすのは若干憚られるところもあったが、貼ってから10年経ってだいぶボロくなっているし、なにより同色の方が単純に格好良い。ピアッツァは格好良さで乗るクルマだ。格好良くなるなら替えるべきだろう。

ストライプと同じKing BlueのPIAZZAステッカーが市販されているわけがなく、自分でデータを用意し、カッティングシートからステッカー化してくれる業者に依頼することになる。その際に使うカッティングシートの素材としてメジャーなOracal 651をストライプとして使いたいがために、わざわざ米Amazonに注文したのだ。そこまでやっておいてステッカーを替えない手はない。

データ作成

手元に1枚だけ残っている純正PIAZZAステッカーをスキャナで取り込み、ベクター画像編集アプリケーション(MacのGraphicというソフトウェア)で、画像をチマチマとトレースしてデータを作成する。

トレース作業中

普通のPIAZZAステッカーは石畳マークつきだが、海外で使われているISUZUロゴのものもついでに作る。

これはこれでシブい

多くのカッティングステッカー業者はIllustrator形式(.ai)を要求しているが、これは内部的にはPDFと同等。GraphicからPDFで出力し、拡張子だけ.aiに替えればよい。

カッティングステッカー発注

カッティングステッカーでググれば多数の業者が見つかる。その中でOracal 651を扱っている業者をまず選び、次はその中から価格優先で選ぶ。似たようなことをやっている(業務用のカッティングプロッタみたいなやつで切り出すだけだと想像)ので、同じような値段なんじゃないかと思っていたが、そうでもない。高いところは高い。

結果的にARROWS BRAND社に頼むことにした。サイトの価格表によれば、25cm x 5cm のOracal 651カッティングステッカーが1枚210円ということになっている。

作ったデータをZipで固めて、サイトの見積もりフォームから依頼すると、翌日見積もり結果が送られてきた。210円x6(普通の石畳PIAZZAステッカーを左右2枚ずつと、ISUZU PIAZZAを2枚)と送料に加え、小口手数料500円というのが上乗せされていた。更に消費税で2321円。

その小口手数料というのはWebサイトに載っていないので何だかなあという気がするが、それでも他社より安い。これで良しとしてそのまま発注した。

メールでは多忙なので納期3週間ということだったが、実際には数日後に届いた。小口だから早かったのだろうか。

おぉ、なんだかそれっぽいぞ

3点揃い踏み

純正と同サイズ

カッティングシートを単純に切り抜いただけ(不要部分も残ったまま)の状態を想像していたので、これだけちゃんとしたものが来るとは思っていなかった。これで210円なら安いじゃないか。

ステッカー剥がし・貼り付け(左側)

早速作業に入る。特に意味はないが、なんとなく左側から始めた。

まずは現ステッカーを剥がさねばならない。ドライヤーで温めてから樹脂ヘラで突付いてみると、案外簡単に剥がれてきた。すぐにプチッと切れてしまうかと思いきや、ペラペラッと剥がれる。以前Irmscherのサイドステッカーを剥がした時にまるでうまくいかず酷い目に遭った(金属スクレーパーで傷だらけにしてしまった)悪印象があったのだが、今回は比べ物にならないほど楽だ。

ドライヤー攻撃

ペロッと剥がれる

どんどん剥がしていく

剥がし終えたところで掃除し、シリコンオフを吹く

全く苦労せずに剥がし終わった。拍子抜けもいいところだ。

そして遂にカッティングステッカーを貼る。石畳かISUZUロゴか、かなり迷ったが、まずは無難に石畳を貼ることにした。おそらく数年後に劣化するだろうから、その時にISUZUロゴにしよう。

このへん、というところに位置決め用のテープを貼っておき、SEステッカーの時に作って放置してあった中性洗剤水を霧吹きで吹付けて準備完了。ではステッカーを台紙から剥がして…と言いたいところだが、これがなかなかうまく剥がれてくれない。

文字が台紙から透明シート側に移ってくれない

苦労しながらどうにかシート側にカッティングステッカーを移しきり、再度霧吹きで中性洗剤水を吹き付けてから貼り付ける。

貼り付け&位置決め

それなりの量を中性洗剤水を吹いておくと、乾くまではいくらでも位置を変えられるので、黄色い位置決めテープはあまり意味がなかった。事前に測っておいた場所に配置できたら、手で擦るようにして中性洗剤水を外に追いやる。力を入れすぎるとステッカーの位置がズレてしまう。

ここで下手に透明シートを剥がそうとしても、まだ文字が粘着しきっていないのでうまくいかない。そのまま半日程度放置し、ある程度ボデーにくっついたんじゃないかと思われた頃に透明シートを剥がす。

完成

期待した通りだ。これは良い。ボロい黒より格段に良い。ほら、やっぱり替えてよかったじゃないか。

ステッカー剥がし・貼り付け(右側)

意気揚々と右側の作業に移る。左と同じくドライヤーを当ててから剥がそうとしたが、これが困ったことにまるで剥がれない。

延々温めてからiPhoneバッテリー交換キット付属の樹脂ヘラでこそぎ落とそうとしても、ほんの少しだけ消しゴムのカスのように剥がれるだけで、間違っても左のようにペロッと剥がれたりはしない。

右側に陽が当たる状態で駐車している時間が長かったことが関係しているのかもしれないが、かなり硬化していて既にビニール素材の体をなしていない。ビニールのカスの集合体が糊でへばりついているようなものだ。

左側が予想外に簡単だったので感覚が狂ってしまったが、どっちかと言えばこれが普通だ。こういうものだと思ってやるしかない。

ここで焦って金属スクレーパーを使うとIrmscherの悪夢の再来になる。しつこくドライヤーと樹脂ヘラでやりつづける。少しずつ剥がれてはくるが、やはり何箇所か塗装を傷つけて剥がしてしまった。

左側に残るものは石畳マーク内側空間の透明エリアのカス

1日数十分の作業を何日かやり続けたが、ある程度のところから全く進まなくなった。限界だ。これはもう金で解決するしかない。Amazonで一番安いヒートガンを注文した。塗装の乾燥やら何やら他にも使い道はあるから、と自分に言い聞かせつつ。

文明の利器現る

数日後に届いたヒートガンで温めてからヘラを当てると、熱で糊が溶けたおかげか、ドライヤーよりは比較的容易に剥がすことができる。そうこなくては2000円を投じた意味がない。とはいえ、かなり温めないと剥がれてこないし、温めた瞬間に擦らないとダメ。なんて頑固なんだ。

こうしてどうにか全てのステッカーを剥がし終わったが、あちこちの塗装が剥げてしまった。これを塗料のオカジマで作ってもらった塗料で誤魔化す。なんだか色合いが合っていないがどうしようもない。撹拌が足りなかったかと思ったがそうでもない。

色がぜんぜん違うんですけど…

このタッチアップ作業でもヒートガンを使う。塗ってすぐに熱を入れるとすぐに乾燥するので作業効率も上がるし、おそらく密着度も上がるだろう。

乾燥後、2000番の耐水ペーパーで擦って、はみ出した塗料を削る。白いプツプツは多少目立たなくなる。

やらないよりマシ程度か

そしてようやく青いやつを貼る。左と同じく台紙から剥がすのに少し苦労した。

位置決め用のテープは省略

そしてクリアを剥がすのに手間取るのも同じ。最後の”A”だけなかなか剥がれず苦労した。

最後に大ポカをやらかす

ステッカー屋さんのサイトで「貼り終えたあとに、ヒートガンで”あたたかい”ではなく”熱い”ぐらいに熱して圧着すると良い」と書かれていたので、馬鹿正直にヒートガンをガンガンに当てたところに悲劇が襲う。

この時点が最後の勇姿だった

ぬぉぉぉぉぉ!!

ぐぉぉぉぉぉ!!

剥がす時(剥がしたやつは捨てる)と同じ感覚で熱しすぎて変質してしまい、新品なのにボロクソになってしまった。最近事あるごとにやってくる自爆行為。初歩的すぎてコンデンサ交換やら何やらとは比べ物にならないほど腹立たしい。自分に怒りまくったのは言うまでもない。

さてどうする

強がっているわけではないが、上の方にも書いたとおり、折角貼ったこの青い石畳PIAZZAステッカー、元々コレを貼ってしばらくしたらISUZU PIAZZAステッカーに張り替えるつもりだった。理由は2つ。

  • IMPULSEには純正で青ストライプがあり、IMPULSEは石畳ではなくISUZU IMPULSEステッカーである。それに寄せた方が一貫性がある
  • 石畳(純正相当)に比べて、ISUZU PIAZZAの方が、なんとなくSPECIAL EDITION感がある

じゃあ最初からISUZU PIAZZAにすればよかったじゃねーかという話なんだが、だからといって石畳姿も見てみたかったのでとりあえず最初は石畳を貼ってみて、それから考えるつもりだった。

しかし、石畳の最後に凄まじい大ポカをかましたことで、自分できっかけを作ってしまった。劣化を待つまでもなかった。暫くは自戒のためにこのままにするが、そう遠くない将来にISUZU PIAZZAステッカーに張り替えてしまうつもりだ。